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STYLE 装い

男の垢抜けはセンスではなく引き算。服の選び方が分からない人へ

服が決まらないのは、センスがないからではありません。足す方向に努力しているからです。サイズ、色数、素材、靴とカバンの状態。この4つを引き算で整えるだけで、見え方は変わります。

男の垢抜けはセンスではなく引き算。服の選び方が分からない人へ

服が決まらない原因は、センスではありません。足し算で考えているからです。

鏡の前で「なんか違う」と感じて、もう一枚羽織る。時計を替えてみる。雑誌で見た着こなしを真似したこともあるはずです。それでも決まらないから、次の休みにまた別の店へ行く。努力の量は足りています。ずれているのは方向だけです。

僕は30代から40代の男性の外見を見る仕事をしています。相談の中でいちばん多いのが服です。ただ、話を聞いていくと、センスが足りないのではなく、選ぶときの基準を一つも持っていないだけ、という人が目立ちます。

男の垢抜けは、センスではなく引き算

男の垢抜けは、センスではなく引き算(図)

垢抜けて見える人と、そうでない人の差は、着ている物の数ではありません。むしろ逆です。判断する項目が少ない人ほど、毎回同じ水準で服が決まります。

ここで言う引き算とは、おしゃれを我慢することではありません。服を選ぶときに見る場所を4つに絞って、そこだけを毎回そろえる、という意味です。センスという言葉は便利すぎて、そこで考えるのをやめてしまう。だから僕は、センスを持ち出さずに済む見方を先に決めました。

服で見るのは、この4つだけ

服で見るのは、この4つだけ(図)

僕が自分の服を選ぶときも、人の服を見るときも、確認するのは次の4つです。並べた順番のまま見ていきます。上から順に効くからです。サイズが合っていない服は、色をどう工夫しても整いません。

  • 体型に合ったサイズ
  • 一度に身につける色は3色まで
  • 素材の質感
  • 靴とカバンの状態

1. サイズは、流行ではなく体に合わせる

サイズは大きい小さいの話ではありません。僕が見るのは3か所だけです。

  • 肩の縫い目が、肩の端に乗っているか
  • 袖の長さが、手首の骨で止まっているか
  • 上着の裾が、お尻を隠しすぎていないか

体に対して大きすぎる服は、体型を隠してくれません。輪郭がぼやけて、ひとまわり重たく見えます。試着室では正面だけでなく、横からも見てください。正面はごまかせても、横は正直です。肩幅と着丈さえ合っていれば、袖やウエストは直しに出せば済みます。買い直すより安く、見え方は大きく変わります。

2. 色は3色まで

一度に身につける色は3色までに収めます。上、下、靴とカバン。この3つで数えると分かりやすい。そのうち2色は黒、紺、グレー、白、ベージュのような落ち着いた色にします。

色が4つ、5つと増えると、見る人の視線が体の上で散ります。顔に視線が集まらない。柄も同じで、一度に1つまで。物足りないくらいで、ちょうどよく見えます。

3. 素材の質感は、値段より先に見られる

遠くから見て最初に差が出るのは、ブランドではなく生地の表情です。毛玉、てかり、洗いすぎて薄くなった綿。首まわりが波打ったTシャツ。本人は着慣れた一枚のつもりでも、他人からは「くたびれている」としか見えません。

僕は、家で着るものと外に着ていくものを完全に分けています。役目を終えた服は、部屋着に落とすか手放す。いい服を買い足すより、くたびれた服を外に着ていかないほうが先です。

4. 靴とカバンは、新しさより状態

靴とカバンは面積が小さいのに、なぜかよく見られます。かかとのすり減り、つま先の傷、革の白い擦れ。ここが荒れていると、上をどれだけ整えても打ち消されます。

高い靴を汚れたまま履くより、安い靴を磨いて履くほうがきれいに見えます。カバンも同じで、型崩れしたものは持ちません。持ち手が黒ずんでいないか、月に一度は見てください。

似合うかどうかは、自分の目では分からない

似合うかどうかは、自分の目では分からない(図)

ここが、いちばん抜けやすいところです。自分の姿を、他人と同じ角度から見ることはできません。鏡は左右が逆で、しかも見たいところしか見ていない。

だから僕は写真を使います。全身が入る距離で、明るい場所で、正面と横の2枚。自分の全身写真は、正直、見たくない。でも他人が見ているのは、その姿のほうです。僕は月に一度、同じ場所、同じ立ち位置で撮っています。条件をそろえると、変化もごまかしも一目で分かります。

もう一つは他人の目です。店員でも、友人でも、家族でもかまいません。ただし、聞き方を変えてください。「似合いますか」と聞けば、たいてい似合うと返ってきます。「AとBなら、どっちがマシですか」と2つ並べて聞く。比べる形にすると、相手も本音を出しやすくなります。

土台ができていないと、何を着ても決まらない

土台ができていないと、何を着ても決まらない(図)

ここまで書いておいて何ですが、服だけで決まる範囲には限りがあります。同じシャツでも、姿勢が違えば別の服に見えます。背中が丸いと、後ろに布が余って、前が突っ張る。服のせいだと思っていたものが、体の側にあることは多いです。立ち方を変えるだけでも、肩まわりの布の流れは変わります。

僕は運動の経験がまったくないところから始めて、8か月後にボディメイクの大会に出ました。その期間、服はほとんど買っていません。体が変われば、サイズが合わなくなるからです。服を増やす前に、体を整える。順番はここです。

頑張っていなかったんじゃない。努力する方向を間違えていた。

服にお金と時間をかけてきた人ほど、この一文が刺さると思います。足りなかったのは熱量ではありません。手をつける順番のほうでした。

いい服を買い足すより、くたびれた服を外に着ていかないほうが先です。

今週やるなら、この順番で

今週やるなら、この順番で(図)
  1. 全身の写真を、明るい場所で正面と横から撮る
  2. 持っている服から、毛玉とてかりのあるものを外出用の枠から外す
  3. いつもの服装を、色3つ以内に収め直す
  4. 靴を磨く。カバンの持ち手を拭く

新しく買うのは、この4つが終わってからで間に合います。買い足す前にできることが、まだ手元に残っているはずです。

ここまでの話は、体・顔・装い・振る舞いという4つの要素のうち、装いにあたります。装いが主役になるのは、体と顔が習慣として回り出したあとの、3つ目の段階です。次に読むなら、いまの自分がどの段階にいて、どこで詰まっているのかを見極める話からどうぞ。

まず、いまのボトルネックを知ることから

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